現場日記 - 角海家住宅及び土蔵カテゴリのエントリ


平成19年3月25日に発生した能登半島地震より4年余りが経過
足掛け4年に及ぶ角海家住宅及び土蔵復原工事が完了し、本日から開館することになる



開館に先立ち、能登半島地震「震災復興感謝のつどい記念式典」が、角海家駐車場で執り行われた
式は、震災で亡くなったかたへの黙とうから始まった
復興に対する感謝とさらなる発展を述べる梶輪島市長のご挨拶


能登半島地震及びその復興の経過が記されたパネルが、会場に立てかけられていた




引き続き、角海家復原工事完成と開館を祝い、テープカットが行われた
向かって左が角海家当主角海藤三さん

 (石川県輪島門前町黒島 石川県指定文化財 重伝建地区)

北前船を復元した「みちのく丸」が金沢港に寄港
人気絶大のため順番待ち
1時間待って、乗船してきた

 

みちのく丸の帆柱は杉の一木で長さ28m
帆柱は取外しができ、航海の期間が終わると倒して保管するそうです




乗組員が普段生活する屋倉と呼ばれる部屋に設けられていた平行四辺形の格子窓
角海家で見たような記憶が



これは、角海家の土蔵に保管されていた建具
角海家の建物のどこにも納まるところはなかった
形状、角度、格子のデザインから推測すると
かつて角海家が所有した北前船に使われていたものではないだろうか

現場事務所及び保管庫が撤去され、元の更地に
中央奥は、角海家家財蔵


 (輪島市門前町黒島)

手前にあった現場事務所が解体され、部材保存小屋の解体中





部材保存小屋の解体作業
左手は、三層の家財蔵


 (輪島市門前町黒島 県指定文化財)

竣工
南東からの全景




竣工
正面(東側)




座敷の仏壇
新潟の当銀屋から購入したと伝えられる仏壇



 (石川県輪島市門前町黒島 県指定文化財)
復原工事に関わった職方の皆さん


左官(親方)の銖藤一夫さん(銖藤工業)
塩物蔵土扉の前で




石工の国田等さん(井筒けんじ石材)
海側の石階段にて




建具の小間修さん(小間建具店)
復原した正面、蔀戸(シトミド)、簾虫籠(スムスコ)の前で




元請の宮下建設株式会社現場スタッフ
現場監督の瀬和博さん(左)、大工の障子俊治さん(右)
座敷にて



大工棟梁の表峯雪さん
茶ノ間の囲炉裏の前で



 (輪島市門前町黒島 県指定文化財)

座敷に襖が入れられる





土縁から庭を見る





今回の工事で使わなくなった材料を、保管するか廃棄するか決める
これは廃棄する腐食していた土台


 (輪島市門前町黒島 県指定文化財 建築年:明治初期)

座敷天井板の古色塗りが終わる
手前(写真上部)の板2枚が当初材、その奥(写真下部)の板は新材




庭の復原が進む
心木のモチ(中央奥)、サカキ(左)





勝手から日本海方向をみる
八手(左)は移植せず、元の位置のまま工事をし、剪定して樹形を整えた


 (輪島市門前町黒島 県指定文化財 建築年:明治初期)

座敷の天井板に古色を塗る
新しく補足した天井板の色を、当初の天井板の色に合わせる
薄い色から序々に濃くし、3回塗って合わせた



保管してあった材料を使って、庭を元どおりの姿に戻す



 (輪島市門前町黒島 県指定文化財 建築年:明治初期)

主屋正面(東側)
二階塗り籠め窓の枠に、黒漆喰が塗られ、
庇の軒先に下がりが取り付けられた



玄関のタタキを施工





保管場所の仁岸小学校から、茶ノ間と縁側の境にある棚が見つかり、
現場に取り付けられた

 (輪島市門前町黒島町 県指定文化財 建築年:明治初期)